025サンケーさんL

お知らせ(2021年1月29日追記)
こちらの記事は以下のURLに引っ越しました。ブックマークの変更をお願い致します。
https://nana-music.com/nanamagazine/interview025/

nanaを楽しんでいる(と思われる)ユーザーさんに編集長Kがインタビューしていくこちらのコーナー。

nanaでは歌の投稿が多くを占めますが一方で声劇を楽しんでいるという方も全体の20%近くいらっしゃいます。歌や音楽の投稿では伴奏投稿者さんが伴奏投稿で支えてくれていますが、声劇においては台本を投稿する台本師さんなくして声劇は成り立ちません。

ということで、ずっと台本師さんにインタビューをしたかったのですが、編集長K、声劇は聴き専なので、実際声劇をやっているみなさんにどなたがアツいのか聞いてみるべくこんなことをつぶやいてみました。

すると本当に色々な台本師さんの情報が寄せられたのですが、特に多かったのがサンケーさん。


人気の台本のデータを調べてみても、上位にはサンケーさんの台本がずらり!

ということで、今回はサンケーさんにインタビューさせていただきましたので、ぜひご覧ください!

目次

※巻末にサンケーさんご自身によるオススメ台本集がありますので、サンケーさん台本で声劇投稿してみたい方はぜひご覧ください♪
※本記事中では、台本の内容が伝わるようにコラボされている状態で紹介しています。紹介しているサウンドは、サンケーさんに選んでいただきました。

編集長K(以下K):この度はインタビューにお応えいただきありがとうございます、よろしくお願いします!

サンケーさん(以下S):いえいえこちらこそ、取り上げていただいてありがとうございます、よろしくお願いします!

2年2ヶ月で台本596本、ブログにポエムを500作品!国語の授業がきっかけ?

K:まずはざっと投稿を拝見させていただいたのですが、基本的には台本の投稿が多いですよね。いくつくらい台本を投稿されているんでしょうか?

S:いま、596ですね。

K:596!?すごいですね、、、。ユーザーIDを見る限りはnana歴2年くらい、、、ですよね?

S:2年2ヶ月です。

K:ということは、、結構なペースでの台本投稿ということになりますね、、!すごいペースだと思うのですが、過去台本投稿か、もしくは同じような制作活動をされていたことがあるのでしょうか?

S:きっかけを振り返ると、、、中学の頃の話なんですけど、国語が実はすごい苦手で。

K:え?意外ですねそれは。

S:いちばん苦手な教科だったんですよ(笑)。
で、授業で「俳句を作ろう」みたいのがあって。ちょっとやる気になって書いてみたら褒められまして、文集に載って、みたいなことがあったんです。それでこういうのも楽しいな〜と思って。


K:嫌いな授業から一転、面白さを感じたと。

S:そうです。その後は高校でもよくポエムとか書いてて、友達もポエムとか好きだったので見てくれたりして。で、高校卒業した後に短歌を詠む歌会みたいのに参加したんです。そこから短歌を書くようになって。

K:歌会!周りの方は、、、同年代ですか?

S:いえ(笑)。その時19歳くらいだったんですけど、周りは30歳以上の方ばっかりでした。なので内容も周りの人と温度差があるな〜と思って、そこから自己流で色々調べるようになって、次第に詩とかポエムとか、そういう方に進んでいきました。

K:やっぱり歌会に若い人はいなかったんですね。川柳少女という漫画を思い出しました。

S:いませんでしたねー(苦笑)。その後アメーバブログで詩を投稿するようになりました。1年で500作品くらい投稿していました。

K:nanaよりすごいペース!ポエムが多いんですか?

S:1年で500書こうと思ってたんですよ当時(笑)。基本的には詩とかポエムですね。読むのも好きだったんですよ、相田みつをさんとか。500作品書き終わったくらいでnanaを始めたんですけど、最初の頃の台本はポエムっぽいものが多かったですね。

K:国語嫌いから褒められて一転、文字表現が楽しくなっちゃって一直線という感じですね。

S:子供がなにか好きになるパターンの典型的なやつです(笑)。歌も絵も好きなんですけど、うまくないので、文章表現にいっちゃいました。

K:ちなみに歌会が気になっちゃったんですが、どうやって参加するんですか?

S:ネット経由ですね。短歌の本とか出している方が主催、募集していました。登録すると、毎回お題が出されてそれに従って参加者が短歌を詠んで、みたいな。で、自分以外の短歌で良いものを3つ選んで、得票数が多いものが上位、みたいな流れです。ずっと最下位でした(笑)。

K:お父さん達手厳しい(笑)。世界観が違ったんでしょうね。

S:自分の世界観でもイケるかなと思って参加したんですけど、世界の壁は高かったです(笑)。

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▲サンケーさんのお部屋。ここで数々の名台本が!

台本師ならでは。音楽は歌詞から入る!

K:サンケーさんは小説とか本とか、活字がお好きなんですか?

S:いや、実は小説とか読めないんですよ。人生で3冊くらいしか読んでないです(苦笑)。

K:それは意外!では本はあまり読まないんですか?

S:漫画は好きです。家に4,000冊くらい漫画って漫画喫茶みたいになってます(笑)。

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▲サンケーさん所有のマンガ本の数々。

K:おおー4,000冊!それはすごい。行きたいなー(笑)。

S:バトル声劇とかは漫画が背景になっているものがありますね。漠然としていると書きにくいんで、漫画のキャラクターを自分で動かすようなイメージで作ったりします。こう動かしたら面白そうだな、みたいな。「るろうに剣心」とか、「僕のヒーローアカデミア」とかがベースになってます。

K:4,000冊の膨大なデータから近しいシチュエーションを参考にしているんですね。アニメと漫画だとどちらが好きなんでしょうか?もちろんどちらも面白いんですが。

S:僕は漫画ですねー。読んでてよく戻ったりするんですよ。敵が出てきて、アレ?こいつ前にちらっと出てなかった?みたいな。そういうことが瞬時にできるのが漫画の面白さだなと思っています。

K:久しぶりに活字好きの人に会えて嬉しいです。サンケーさんのルーツが見えた気がしました。ちなみに音楽はいかがですか?

S:好きですよ!歌詞先行で好きになるので、BUMP OF CHIKENさんとか好きです。比喩とか多くて読み解くのが楽しいです。

K:BUMP OF CHIKENさんは歌詞いいですよね、深い。天体観測とかも深い歌詞ですよね。

S:ちゃんと読み解いて歌っている人はどのくらいいるんだろうとか、気になります。

K:このインタビューをきっかけに歌詞に注目してくれる人が出てくると嬉しいですね。まぁPUFFYさんの「白のパンダ」とかはいくら考えてもわかりませんけど(笑)。

S:歌詞でいうと米津玄師さんの「アイネクライネ」。
後半の歌詞の考察がいろいろあって、赤ちゃんの想いだっていう考察があるんですけど、僕は逆にお母さんの方じゃないかなと思っているんですよ。妊娠しているけど子供が育てられる環境になくて、みたいなストーリーで考察してみるとピンと来るんですよね。


K:米津さんも深いですよね。僕もいまだにパプリカの謎が解けないです。

S:解けないですね(笑)。
台本も歌詞も2つの意味があるかも?みたいな視点で読んでもらえるともっと面白くなるのかなと思います。書きにくいことは別の言葉にして別の意味を持たせることがあります。死んじゃうストーリーだと恋愛に置き換えるとか。人によっては恋愛ストーリーにしか見えないけど、実は、みたいな。


K:日本語って難しくて面白いですよね。この話を踏まえてサンケーさんの台本をもう一度読んでみると面白そうです。

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▲よく行くというライブのお土産、タオルマフラーなどなど。

オススメ台本とその背景。いちばんの思い出は17人コラボ台本!?

K:最初に台本を投稿した時の思い出はありますか?

S:ブログも書いてたのでそこまで緊張はしませんでした。「時間が収まるかな〜」とか、そういうnana的な心配の方が大きかったです。配信をやっているメンバーに演劇をやっている人もいて事前に見てもらったりしたんですけど、内容より時間のダメ出しの方が多かったです。

K:たしかに時間の制約はブログやtwitterには無い要素ですね。

S:あとはBGM選びも大変でした。なので、BGMの選曲が良かったと言われた時は嬉しかったですね。

K:BGMはどうやって選んでいるんでしょうか?特にどのユーザーさんのBGMと決めている訳では、、、ないですよね?

S:よく使うユーザーさんはいます、けーさんとか。

その他ではなるべくあまりコラボされていないBGMを選ぶようにはしています。

K:それはnanaマガジンのコンセプトにも通じる部分がありますね!そんなサンケーさん台本なのですが、オススメの台本を挙げていただくとしたらどの台本でしょう?

S:「電話」ですね〜。この台本は思い入れも強くて。コラボ数も多くて人気のある台本です。「電話」っていう台本は実は2本あるんですけど。

K:え?2本ある!?

ほんとだ、2本ありますね。



S:最初の「電話」が男の子がわがままで女の子が話を聞くっていう内容で。
「声劇【電話~声が聴きたくて~】」は逆パターンで、女の子のわがままを男が聞いてあげるっていうストーリーです。この台本は本当に思い入れのある台本ですね。


K:実話ではないんですか?

S:実話ではないです(苦笑)。電話の台本が欲しいっていう要望があったんです、何も用事がなくても電話をかけちゃう女の子っていう設定で。ぶっちゃけ僕はあんま電話好きじゃないんですよ(笑)。男の人は結構多いと思うんですけど。

K:そうですね、僕も電話嫌いです(笑)。こういう台本を書く時はどういうシチュエーションというか、どういうメンタルで書くのでしょうか?

S:書く時は心理描写から入ります。この台本だとまず女の子の気持ちを作っていって、それをメインストーリーにします。その上でこの女の子がこの電話で言われて嬉しいことを台本にしていった感じです。

K:なるほどー。

S:途中でお弁当を買っていくシーンがあるんですけど、ただ家に行くって言っちゃうと負担になるかなという男の子の心理をセリフに落としてます。お弁当買っていくという理由をつけたという。ご飯一緒に作って食べるとか外食とかっていう感じじゃないんですよね。家にいて一緒に話を聴いてあげたほうがいいのかな?っていう心理を描写した表現なんです。


K:ただ書いているのではなくて、きちんとした心理設定があってその結果がサンケーさんの台本なんですね。どれくらいの時間で書けるものなんですか?

S:台本によって色々ですけど、この台本はどうだったかな、、、4時間くらいだったと思います。書き出すまでが時間かかるんですけど、書き出すと数十分で書けちゃいます。

サンケーさん6
▲台本を書く時はスマホのメールを使ってメモを書くんだそう。

K:思ったより速い、、、さすが!
他にイチオシの台本っていうのがあれば教えて下さい。

S:「七夕」っていう台本があるんですよ。全部で4本あるんですけど、去年投稿した台本をぜひ聴いてもらいたいです。


僕の中で目標があって、悲しい涙ではなくて、感動する涙を演出したいと思ってるんです。この台本は織姫と彦星のストーリーなんですけど、1年間に1回しか会えないという内容を台本としてかきあげて、その時ちょうど四ノ宮りゐさんが投稿したサウンドがあって。


あまりにもイメージにピッタリだったんで、コレキタ!と思って。

K:打ち合わせしたいという訳ではなく?

S:してないです、お話したこともないです(苦笑)。その偶然のサウンドとの出会いもあって、感動する涙が流せる台本なんじゃないかなと思っています。この前の年は夫婦にまつわる内容で七夕台本を書いていたので、今年はガチめに書こうと思って書きました。オススメですね。

K:いいお話ですよねこの台本も。こういう内容は降ってくるものなんですか?

S:そうですね、降ってきますね。
この台本も七夕の日に仕事終わって「あ、今日七夕だ、台本書かんと」みたいなノリで、降ってきたものを書きました(笑)。短歌でも詩でもずっと恋愛を題材にしていたということもあってすぐに書けるのかもしれないです。


K:恋愛がやっぱりお得意なんですね。あとはこの台本の背景を伺いしたいなと思っていたんです、戦争モノの台本、「君ガ空コソカナシケレ」。

S:これはBGMにも使わせていただいているんですけど、HoneyWorksさんの曲の世界観から生まれた台本です。BGMに使わせていただいている四ノ宮りゐさんの投稿を聴いていいな〜ってなったらHoneyWorksさんの曲で。なるべくその世界観を壊さないように台本にしました。

K:なるほど、歌ありきの台本なんですね。
さて、コラボされたサウンドを聴いていくとみなさん想像以上にアレンジして楽しんでいらっしゃるようなのですが、演者さんによるアレンジについてはどう思いますか?

S:むしろアレンジして演じてもらいたいくらいです。コラボしてもらったものを聞きに行くと思うんですけど、台本って演じてもらって完成するんですよね。みなさんの声劇が入った時に自分の想像したものを超えてくることがあって、それを聴いているのが本当に楽しいです。

K:アレンジ歓迎はみなさん喜びそうですね!アレンジOKも含めて、nanaで色々な思い出があると思うのですが、いちばん印象に残っているコラボはどのサウンドでしょう?

S:「Dear Friends」っていう台本があるんですよ。


K:おお、「Dear Friends」。これ出演者数がすごいですよね。何人出演者いるんですか??

S:えーと、17人ですね。

K:17人!リレーコラボって実は完成しないことも多いと思うんですけど、完成したサウンドって実在するんですか?

S:実はこれ、投稿して3時間で完成したサウンドが出てきたんですよ。

K:3時間!?すごいですね、、、サンケーさんから呼びかけたりしたんですか?

S:最初はリポストとか使って呼びかけました。でも個人的にお願いとかはしていないです。投稿した時はちょっと無謀かなとも思ったんですよ。でも結果的には17人見事につながって。知らない人同士でつながっていくって、すごいですよね。やってよかったなと思っています。

K:音で世界をつないでいくっていうコンセプトを持っているnanaとしても、ユーザーさんからこういう投稿が出てくるのが本当に嬉しいです。

S:内容自体も音でみんなでつながろうっていう内容だったんで、読んでつながってくれた人もいい気持ちになってくれたみたいで、本当に良かったです。nanaでいちばん印象に残っている出来事ですね。

前に出るのは「嫌いじゃないです」〜台本は真面目、キャラクター演出は別の場所〜

K:さて、2年2ヶ月前に始めたnanaなんですが、nanaはどういうきっかけで始めたのでしょうか?

S:SHOWROOMっていうサービスで配信をやってたんです。そこで、SINGING BOYS & GIRLSオーディションっていうのを見かけまして。

K:おお〜!ありましたありました、nanaの公式タイアップ企画で、nanaの予選を突破すると2次予選がSHOWROOMでしたね。

S:それで参加者の方の配信に参加して仲良くなったんです。それでみなさんnanaで歌を投稿しているっていうことで、その歌を聴くためにnanaインストールしたんです。配信いかなくてもnanaで聴けるのか〜と思ってインストールしたのがきっかけです。

K:なるほど〜声劇やろう!とか、そういう流れではなかったんですね。

S:その配信やってたメンバーが朗読劇みたいのをやっていて、そのうちメンバーのひとりが「俺も書こう〜」みたいなことを言ったんですけど、流れで「みんな書かない?」みたいな流れになりまして。「じゃあ書くよ」ってなって、それがnanaで台本を書き始めたきっかけです。

K:サンケーさんは人前に前に出るのはお好きなんですか?nanaでもサンケーニュースとか面白くて、台本だけでなくガンガン前に出ていくタイプなのかなと思いまして。
▲サンケーニュース:S氏が美容院に行ったニュースです

S:ニュース聴きましたか(笑)!ありがとうございます。
そうですね、配信もやってましたし嫌いではないです。台本書く時にあまり解説を入れないんですよ。解説を入れると僕の考えが先行してしまって先入観がついてしまうかなと思って。読む人のイメージで読んでほしいなという思いがあるんです。
なので、台本だけだと真面目な人に見えてしまうんじゃないかと思って、たまにサンケーニュースみたいな投稿でフザケたりしてます。


K:台本は台本で真面目に、キャラクター表現は別のところでやっているんですね。

S:twitterとかは結構ワーワーやってますよ。nanaの台本を読んでキラキラした眼で来る方は幻滅する人が、、、(笑)。競馬の話ばっかりしてます。

K:競馬は長くなりそうなので置いといて(笑)、台本も感動的な台本の中にたまにお笑いの台本が差し込まれてますよね?個人的には結構好きなのですが。

S:お笑いとかも好きなんで、浮かんだ時に書いている感じです。ポエムとかもともと恋愛モノや心情モノが多いんですけど、台本のジャンルって悪役モノとかファンタジーもあって面白そうなんで、一通りやってみようと思ってまして。その流れでお笑いもやってみようと(笑)。

K:お笑いだと気になった台本があるんですが、、、コレ!「ヤンキー先輩の自粛明け」(笑)。


S:あーヤンキー先輩(笑)!ヤンキー先輩はシリーズ化してて10作まであります。

K:10作!(笑)これはどういう生い立ちなんですか?

S:1作目が体育祭なんですけど、体育祭で「パン食い競走」ってあったじゃないですか。それが頭の中で「パンツ食い込み競争」になってそれがグルグル回ってて(笑)。で、これ台本にしようと思って、普通の登場人物でやっても面白くないなと思って。ちょうどテレビ観てたら「今日から俺は!」をやってたんですよ。で、ヤンキーがボケたら面白いんじゃないかなと思って(笑)。

K:ここでまさかの「今日から俺は!」!僕この漫画大好きで何回読んだかわからないんですけど、たしかに通じるものがありますね(笑)。

S:そうなんですよ。始めたら評判が良くて、シリーズ化しました。シリーズ化した台本はヤンキー先輩と堕天使シリーズっていうのがあって、今後も続けたいと思っています。

K:ヤンキー先輩がどうなるのか、期待してます!(笑)

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▲サンケーさんのお部屋その2。ヤンキー先輩もここで生まれた?

新しい台本師さんとガチで戦いたい!〜これから台本を書く人へのアドバイス〜

K:さて、様々な台本を手掛けてきたサンケーさんですが、これから台本を書いてみたいという人にアドバイスを頂けないでしょうか?

S:誰かの台本の形式に合わせようとか思わずに、自分の好きなように、自分流にやってみることが大事かなと思います。よく書き方とか聞かれるんですけど、「日記みたいに書いていいと思いますよ!」って答えるんですよ。もともと台本には形式なんてないんですよね。スタイルは書いていくうちにだんだんと見つかってくるものだと思います。ポエム風、小説風、会話風、いろいろなパターンがりますけど、まずは自分の書きたいように書いてみることだと思います。

K:まずはチャレンジ!ということですね。

S:そうです。あと、書きながらストーリーを作るよりは最初にある程度設定を決めてから書き出した方がいいと思います。僕の場合だと人数、ジャンル、登場人物の関係性、舞台設定、ラストの展開くらいを決めてしまうんですよ。
恋愛ジャンルで言うなら二人で、同級生、海、ラストは告白、みたいな。そうすると自然に学校の帰りに二人で海に寄って、日が沈んだ頃に男の子が「好きだー!」みたいに、ストーリーがある程度自然に出てくるじゃないですか。それを中心に考えていくといいと思います。

nanaは90秒なんで、ストーリーを書きながら作ると90秒に入らなくなっちゃうんです。決めた設定をベースにブロックごとに作って、後でブロック単位で調整するみたいな。


K:骨組みを決めてから、という。

S:そうです、おおまかな設定を先にということですね。末端から作って設定が細かすぎて自滅しちゃうケースとかよく見るんです。さっきの例だと「男の子がツンデレでー」みたいな細かいところから書き出したら90秒に入らないんですよ。なのでおおまかに5つくらい設定を決めて、それを大事に作るといいと思います。

K:書いてみて90秒に収まらないことはあるんですか?

S:9割は収まらないですね(笑)。なので書いてから削る作業が結構大変です。さっきの通りで設定作って書いて膨らませて、だいたい入らないので(笑)、ブロックごとに削ったり、シチュエーション削ったり、という流れで作ります。

K:出来上がってからご自分で読まれるんですか?

S:投稿する前に1作あたり20回くらいは読みます。収まるかどうかもなんですけど、言葉の流れとかも確認します。僕は短歌とかから来ているので文法が特殊な時があって。倒置法とか体言止めとか。見ているときはいいんですけど、読んでみるとおかしいな、っていうところがあるんです。

K:なるほど、ひとつの台本の裏にもこれだけの手間がかかっているんですね。でもアドバイスを聴いていたら台本が書ける気がしてきました(笑)

S:書いてみてください(笑)。
実はこの前「海」というテーマで台本を募集する企画をやったんです。50人の台本師さんが参加してくれたんですけど、そのうち2割くらいは初めて台本を書いたっていう人だったんですよ。


K:2割!なかなかの高率ですね。

S:そうなんですよ。なので書こうと思っちゃえば結構書けるんじゃないかと思います。特に声劇が好きな人ってイメージできないと声劇もできないので、素養はあるというか、そういう感性は高いんだと思うんですよね。

K:そういう企画、これからやってみたい人にとってはいいですね。またやる予定はないんですか?

S:今は無いですねー、、、。思いの外大変だったので(笑)。
最初は3人くらい参加してくれればいいかな〜とか思ってて、始めてみたら50人も来てくれたので大変でした。参加してくれた人をキャプションで紹介していたんですけど、初めてキャプションの10,000字制限というのを知りました(笑)。



K:引っかかっちゃいましたか!今の所10,000字制限に引っかかった人に会ったことは無いです(笑)。

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▲たまに車で出かけて風景を見て感性を磨いているんだそうです。いい景色ですね!

最後に、今後やってみたいことなどあれば教えて下さい。企画をもう一度やるとか、台本を1,000本作るとかでも大丈夫です。

S:台本はもちろんこれからも書いていきたいです。サンケー=恋愛台本っていうイメージの人も多いと思うんですけど、色々なジャンルの台本に挑戦してみたいです。恋愛だけじゃないよっていうのと、逆に恋愛でももっとイケるよ!っていうのを見せたいなと思っています。

あと、僕もなんですけど、nanaの方でも台本のイベントをやってもらいたいなと思ってます。

今回企画をやって思ったのは、こういう機会があると他のユーザーさんの台本を読めるんですよ。普段はあまり他の人の台本って見ないんですけど。フォロワーさんが少ないユーザーさんでもすごい台本を書く人とかいて、そういう人たちとガチ目に戦いたいです(笑)。


K:戦い!アツいですね(笑)。サンケーさん監修、nanaマガ主催とかでイベントができたら良いなと思ってます。ユーザーさんと一緒にやる企画みたいのをやっていきたいです。その時は審査員で出てくださいね。あ、でもそれだと戦えないか(笑)。

S:たしかに(笑)!でもぜひ呼んでください。

K:ぜひまたご一緒できればと思いますので、これからもよろしくおねがいします。今日はありがとうございました!

S:ぜひ!ありがとうございました。


さて注目の台本師、サンケーさんのインタビューいかがだったでしょうか。
面白く感動的な台本を驚異的なスピードで生み出す台本師さんのルーツには、やはり短歌や詩など日本語表現の世界があるということが大変興味深く、面白いインタビューでした。

台本や歌詞の裏を読み解いていく、、、これはとっても楽しそう。その意味を考えながら声劇をしたり歌ってみたりするとさらに楽しくなりそうですね。

巻末にサンケーさんご自身によるオススメ台本とオススメユーザーさんを掲載しておりますので、ぜひチェックして、声劇にチャレンジしてみてください!

取材・執筆・編集:編集長K

サンケーさんオススメユーザーさん

はなさん
言葉一つ一つの表現が綺麗で深くて、台本の世界観に浸れます。


深草 宇迦さん
和風台本でストーリーの心情がひとつの物語として高い完成力を持っていて素敵です。


ナギさん
アニメのようなストーリーで心理描写や言葉の力が強く、演じるには持って来いの作品です。


エグゼクティブソーダさん
今回、自分の企画で初台本を書かれた方で、それまで小説を書かれていた事もあり、ひと味違うストーリーが短編小説のようで面白いです。


ねむいさん
海と人間の関連性は心理的観点から深く掘り下げている作品で、説得力もあり面白いです。


サンケーさんオススメ台本(声劇付)

こちらは500を超えるサンケーさん台本の中でもオススメの台本だそうです。
声劇コラボされた後の投稿から、サンケーさんが特に気に入っている声劇コラボを選んでもらいました。台本の様子がよくわかるので、ぜひ聴いてみてください!

声劇No.572【年の離れた弟】兄弟声劇

▲たろたるとさん、ふう 🦊さん、けーさん

声劇No.19 【君の海】

▲しゅねこさん、yuRa*さん

声劇No.7 【そばにいさせて】

▲Alice🌸さん、ちゃんRINA。さん

声劇No.341【電話~声が聴きたくて~】※コラボ声劇

▲ハナマヨさん、るなちー🌙さん、ritoさん

声劇No.221【人斬り】※バトル声劇

▲凪🌸さん、四ノ宮りゐさん

声劇No.594【社畜の休日出勤】

▲みほさん、(・w・)のぼさん

声劇No.256【つくり物】

▲マムロ・レイ♍️Øさん、riro√mさん

声劇No.202【しあわせ】

▲くまたさん、yuRa*さん

声劇No.461【ふたりで】※コラボ声劇

▲ぐでリャマ🐯さん、🌼nao🌼さん、けーさん

声劇No.466【言葉】

▲🌼 まいまい 🌼 さん、けーさん



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