Yasuha-L


お知らせ(2021年1月29日追記)
こちらの記事は以下のURLに引っ越しました。ブックマークの変更をお願い致します。
https://nana-music.com/nanamagazine/vocaloid006/

nanaマガの人気コンテンツ、のボカロPさん突撃インタビュー。
今回は2017年からnanaに投稿してくれているボカロP、Yasuha.さんにインタビューさせて頂きました!


ボカロ曲って「テンポが早くて歌うのがたいへん・風刺的な歌詞が印象的」みたいな曲が多い印象がある人も多いと思います。特にボカロ前世代のユーザーさんの中には典型的なボカロ曲が馴染めない方もいるのではないかと思います。

しかし!

Yasuha.さんの曲、、、とっても聴きやすいのです。
ゆったりとしたテンポで優しく流れるその曲はジャンルとしてはEDMなのですが、よくイメージされるEDM=踊る曲という雰囲気ではありません。ベッドルーム系とも呼ばれるYasuha.さんの曲は、何曲か聴いただけですっかり虜になってしまいました。

ということでYasuha.さんファンの方やボカロフリークの方はもちろん、ボカロ曲をあまり聴いていなかった人にもオススメのボカロPさんですので、ぜひインタビューを読んでみてください!

目次

編集長K(以下K):本日はよろしくおねがいします!

Yasuha.さん(以下Y):よろしくおねがいします。

偶然応募したコンテストで入賞!〜音楽活動するとは思っていませんでした〜

K:さっそくですが、まず音楽歴をざっくり教えていただけますでしょうか?

Y:音楽経験はキーボードを弾いたり吹奏楽部に入ってたくらいで、バンドを組んだりライブをしたりしたことはなかったので将来的に自分が音楽活動することになるとは全く思っていませんでした。

K:吹奏楽部ですか!吹奏楽部も音楽経験という意味ではすごく役立ちますよね。最初に楽器をやろうと思った時のきっかけとかはあったんでしょうか?

Y:いえ、先生に勧められて入部しただけなので、それっきりでした。なので今音楽をやっていることが自分でも不思議です。

K:音楽へ一直線!という感じではなかったんですね。ということは、音楽活動はいきなりボカロP!、という感じですか?

Y:曲を作るようになったきっかけは、気になったアーティストのアルバムを買っても全ての曲を気に入る事があまりなかったのですが、ある時10曲入りのアルバムで好きになった曲が3曲だけあって、歌詞カードで調べたらその3曲だけ同じ人が作曲していることが分かって、その作曲家の方が別のアーティストに提供してる曲や編曲を担当してる曲を調べて聴いてみたらどれも好みの曲だった、という事がありました。

その時に自分は歌よりも曲や音に惹かれている事に気がついて、作曲家さんの名前で調べて曲を聞いたり、曲を作る側に興味が出てきました。

K:おお、なるほど。アーティストやプレイヤーではなくて作曲者から入っていくというのは最初のきっかけというのは珍しいですね。

YAsuha.さんが影響を受けたアーティストや曲を教えてもらいました↓
  • Dinka - White Christmas
  • A.M.R & 武川アイ - Whisper
  • Konac (ft. Juu) - Won't Let Go
  • 澤野弘之 - Rё∀˥  feat. Cyua
  • Singularity - Horizon
  • Au5 - Follow You feat. Danyka Nadeau
  • Clara La San - In This Darkness
▼Yasuha.さんが影響を受けたアーティストさん&曲の中から、「A.M.R & 武川アイ - Whisper」。
サビでは日本語の歌詞も出てくるなど、聴きやすい1曲ですのでぜひ聴いてみてください。



▼武川アイさんのWEBサイト


K:なるほどーたしかに聴いていくとYasuha.さんの曲に通じるものを感じますね。作曲をはじめた頃は勉強をしたんでしょうか?本を買ってとか、人に聞いてとか方法は色々あると思うのですが。

Y:バンドをやっていた先輩にDAWの操作方法やドラムの打ち込み方などを軽く教えていただいて、音楽理論は本で、音作りはYouTubeの解説動画で勉強しました。

バンド組んでるとかギターひけるとかピアノ習ってる人は周りにたくさんいましたが、Dubstepのグロウルベースの作り方が分かる人とか美しいPad音の作り方が分かる人はさすがにいませんでした。
🔍DAW(ディーエーダブリュ):
音楽において曲の制作や録音を行うソフトウェアの総称。Digital Audio Workstationの略。
🔍Dubstep(ダブステップ):
EDM(Electronic Dance Music)のジャンルのひとつ。EDMは、元々ヨーロッパで人気があったものが2000年頃よりアメリカで急速に普及。Dubstepではテンポ140くらいの速さで超低音(サブベース)に特徴があると言われています。
EDMに興味を持った方はこちらのサイトなど見てみてください。
🔍グロウルベース:
英語で書くとGrowl Bass。ベースの音色のひとつで、Grow=うなるの通り、人間がうなっているような音のシンセベース音を指します。VOCALOIDの機能のひとつにもグロウルというものがありますが、同じ意味です。
🔍Pad:
シンセサイザーで出す音のうち、「ふわ~っ」とした音の総称。

K:それはなかなかいなそうですね、、、笑

Y:なので音色周りは全部YouTubeで独学で勉強しました。

K:時代ですね、、、!YouTubeに動画を上げた人も喜ぶんじゃないでしょうか。
では作曲家きっかけでだんだんと作曲に興味を持って独学で勉強して、という感じなんですね。

Y:5年前くらいに本屋でたまたま買ったサウンド&レコーディングマガジンで開催されていたリミックスコンテストに応募する為に作ったリミックスがたまたま入賞したのが嬉しくて、そこから少しずつ曲を作るようになりました。
🔍サウンド&レコーディングマガジン:
株式会社リットーミュージックが刊行する録音技術・音楽制作の専門誌。通称「サンレコ」。1981年にキーボード・マガジンの増刊号として創刊。この筋の人々のバイブルです。編集長Kも若い時は目を皿のようにして読みました。
K:サンレコのリミックスコンテスト入賞!すごいですね。ちょっと後でさかのぼって見てみます。

▼調べて見つけたYasuha.さんが掲載されている受賞記事とその時の楽曲。この頃からすでにYasuha.さんの雰囲気がありますよね。



K:ボカロとの出会いはどんな感じだったんでしょうか?

Y:歌モノを作りたいなと思った時にシンガーさんの知り合いがいなかったので、リミックスコンテスト等で配布されたアカペラを使ったリミックスを作ったりしていました。

その後ボカロPのキョトンPさんが初音ミクのアカペラを使ったリミックスコンテストを開催されていたのをみかけて、それに参加したのがボカロとの出会いです。


▼ニシジマユーキ(キョトンP)さん


K:なるほどー。偶然出会ったリミックスコンテストが色々きっかけになっているんですね。

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▲Yasuha.さんの制作デスクの様子。

エモーショナルで心動かされるEDMを広めたい

K:このインタビュー記事でYasuha.さんを知った人に最初に1曲聞いてもらうとしたらどの曲でしょうか?

Y:色んなジャンルの曲を作っているので選ぶのが難しいですが、個人的に推したいのは「Faded Love」です。


同じピアノのフレーズがずっと続く中歌で展開していく曲なのですが、歌詞の押韻が綺麗にはまったので口ずさむと気持ちいいリズムになっていると思います。

自分は一音一語よりも字余りで流れるような歌詞の入れ方が好きで、ボカロだと難しいのですがこの曲は上手く歌わせられたと思います。寝ながら聞き流したりしてもらいたいです。


K:Faded Love!この曲いいですよね、さっき3回くらい聞いてしまいました。

Y:ありがとうございます!

K:たしかにボカロでこのテンポの曲って綺麗に聞かせるの結構難しいですよね。。。

Y:音数が少なくて調声の粗が全部見えてしまうので、それが大変でした。

K:ですよね、、、僕もミクちゃんでバラード挑戦してみたものの気に入らず結局1曲も完成してないです、、、
※編集長Kは趣味で底辺ボカロPとして活動しており、ミクちゃんファンです。

歌詞もご自身で書かれていると思うのですが、Faded Loveでの歌詞のこだわりみたいなものがあれば教えて下さい。言葉の選び方とか、スローテンポだと結構難しいですよね。

Y:歌詞は失恋系の曲なのですが、歌詞の通り愛がゆっくり薄れていくところを表現したかったので、
“好きなのに”とは対象的に「好き」とか「嫌い」といった直接的な言葉を一切使わず、色んな感情をそれに起因する間接的な行動で描写しています。

最後の"Baby I'm sorry"も、相手には伝えられないまま終わります。
その中で歌い心地が良くなるよう押韻を整えていきました。

K:ちょっともう1回聞いてみます!曲の雰囲気も相まって寂しい、終わりの感じがしますよね。
Yasuha.さんの曲は全部ミクちゃんですか?ミクちゃんを選ぶ理由というか、思い入れみたいなものはありますか?

Y:今のところ使ったことがあるのは初音ミクだけです。
他の方からもミクだけですか、とよく聴かれることがあるのですがOriginal、Dark、Soft、Sweet、Englishと5人もいて、それぞれ調声の仕方が違ってまだどれも全然マスターできていないので、
まだ他のVOCALOIDを使う余裕がないです、初音ミクSOLIDもまだ使ったことがなかったです。 

あと純粋に声が好きなのと、ずっとミクだけだったので思い入れは確かにあります。ただ他のVOCALOIDにも興味はあるので機会があれば使うかもしれません。

🔍初音ミクを始めとしたVOCALOIDは声のキャラクターを選ぶことができ、Original、Dark、Soft、Sweet、Solidなどはそのキャラクターの名前です。各キャラクターの中でさらにパラメーターを調整することで声の雰囲気を変えることができます。
K:なるほど、よくわかります、、、難しいですよね。調声の方向性も人間らしくする方向もあればロボっぽい方向性もありますし。

Yasuha.さんの曲は全体的にスローテンポで広い世界観の曲が多く、ボカロもミクちゃんと、統一感があって連続して聴きやすい印象を受けました。

ご自身の音楽を通じて表現したい世界観みたいなものがあるのでしょうか。何かひとつのコンセプトがあって曲を作られているような印象を受けたので、その辺のルーツやコンセプトがあれば教えて下さい。

Y:曲はベッドルーム系とクラブ系両方作っていて、クラブミュージックというとクラブで踊るEDMを連想されがちですが中にはエモーショナルで心が動かされるような作品もあるというのを伝えていきたいです。

2年前に公開した「On Your Side」という曲はメロディックダブステップというクラブ系のジャンルなのですが歌詞はものすごく優しい内容になっています。


K:たしかにEDMはかなり踊る方にイメージが寄っていますので、Yasuha.さんの曲がEDMというイメージは持っていないかもしれませんね。

Yasuha.さんの背景や想いが少しわかってきたような気がします、、、!ありそうだけど、ないです。すっかりリピート再生中です。

Y:かっこいい曲ももちろん好きなのですが、自分が作る曲は感情的な作品にできたらと思っています。

完璧に再現してもらって感動。nanaにアップする楽しさとは?

K:さて、Yasuha.さんのことが少しわかってきたところでnanaについてお伺いできればと思うのですが、nanaとの出会い、覚えていたら教えて下さい。

Y:nanaとの出会いは、最初は作った曲をニコニコ動画とYouTube、SoundCloudにしかアップしていなかったのですが、ニコニコ動画のコメント欄に「nanaにアップして欲しい」と書かれていたのですぐに調べて、そこで初めてnanaというサイトの存在と音楽コラボのSNSであることを知ってすぐに登録してインストを投稿しました。

フルコーラスの歌ってみたを動画サイトに投稿する場合、コンデンサーマイクやオーディオインターフェース、DAWソフトやプラグインを揃えたりボーカルミックスやマスタリングをする必要があって敷居が高いからか、なかなか自分の曲が歌われることがなかったのですが、nanaにアップしたらすごく気軽に何人もの人が歌ってくれて、それがすごく嬉しくてバラード系の曲は毎回nanaにも投稿するようになりました。


▼nanaに最初に投稿された曲「好きなのに」


K:おお!コメントきっかけなんですね。
nanaでコラボされた音源はわりと聞いている感じですか?(全部は到底無理だと思うのですが、、、)

Y:いえ、全部聞いてます。

K:すごいですね!!!ありがとうございます、ユーザーさんも喜ぶと思います。

Y:コーラスの入れ方とか、微妙なメロディーラインが一人ひとり違うので、ただ1回聞き流すだけではなく実はかなり細かく何回もきいたりしてます。

K:何か印象に残っているコラボなどはありますか?

Y:自分の曲はよくサビやメロの歌が被っていて一発録りでは歌えない箇所があるのですが、重ね録りで完璧に再現して歌ってもらえた時は感動しました。

K:歌がかぶるところ、歌い手泣かせですね。逆に再現する楽しさがあっていいのかもしれません。

▼Yasuha.さんのnanaアカウントには人気の曲から最新曲まで。ぜひコラボ♪


新しいジャンルのアレンジに挑戦!?注目の今後の活動は。

K:今後の活動の展望、やってみたいことなどあれば教えて下さい。

Y:7月にリリースしたファーストアルバムで一つの曲を色んなアレンジで複数バージョン収録するというのを3曲ほど挑戦してみたのですが、今月YouTubeの方でも公開予定なので気に入ってくれる方が多かったら今後もまた色んな新しいジャンルのアレンジも出していこうかなと思っています。

K:ニューアルバム、曲数すごいですよね。盛りだくさんで驚きました。色々なアレンジはありそうでないですし、面白そうですね。

Y:ありがとうございます。

▼アップされたばかりの新曲FateのType.BとType.L


K:最後に、nanaユーザーさん向けにメッセージなどありましたらぜひお願いします!

Y:いつも歌っていただきありがとうございます。本当に上手い人が多いので歌を聞くのいつも楽しみにしています。

K:お預かりしました、ありがとうございます!

Y:ありがとうございました!


Yasuha.さんへのインタビューをお届けしてきましたが、いかがだったでしょうか?

ワタクシ自身EDMにそこまで詳しい訳ではなかったので色々と勉強になりましたし、何よりジャンルにとらわれて音楽を聴いてはいけないなと改めて感じました。Yasuha.さんの曲はやっぱりYasuha.さんの曲で、他に無いのです。すっかり仕事中にリピート再生です。

そんなYasuha.さんですが、インタビュー中にも出てきたアルバムが絶賛発売中とのこと。なんと25曲も入っていて新曲13曲、残り12曲の既存曲もリミックスされたものだそうです。これは買うしかない!ぜひ聴いてみてください。





nanaを通じて色々な音楽と出会っていくことは本当に楽しいです。
nanaマガを通じてみなさんも色々な音楽と出会ってもらえたら嬉しく思いますので、インタビューをお読みいただけたようでしたら、ぜひYasuha.さんの曲を聴いてみてくださいね!

取材・執筆・編集:編集長K


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